(1)の続きです。 DIO×承太郎で流血表現を含みます。 読んでも良いよ、という方は以下へどうぞです。 Quälerei (2) ---------------------------------------- 全身を貫く痛みに顔を顰めながら、起き上がる。 DIOに折られた腕が、熱をもっていた。 承太郎はやけに広く、そして柔らかなベッドに寝かされていた。 無駄に豪勢な寝台だったが、自分が居る部屋は簡素なものだった。 剥き出しの壁、天井には蜘蛛の巣、やけに頑強そうな扉、ベッドのそばには古ぼけた机と椅子。 このベッドが部屋に不釣合いなのだ。 そしてここには窓はないらしい。 壁際に、薄明かりだけが灯っていた。 ベッドの端に腰を落ち着け、承太郎は所在無さげに部屋を見渡した。 ここは何処だ。 DIOは? 仲間たちは、母は―。 視線を落とし、冷たい床を見つめる。 自分がここに居る理由も、分からない。 何故殺されなかったのか。 疑問は頭の中を、いたちごっこのようにぐるぐると回るだけだった。 答えを得るには、本人に直接聞くしかないということか。 この部屋、ひいてはDIOに対する不快感を覚えて、承太郎は拳が白くなるほどにきつく握り締めた。 同時に彼に簡単にあしらわれたこと、そして自分が彼の掌の上に居ることに対する屈辱に唇を噛んだ。 目が覚めたか。 どこか甘ささえ感じさせる声音が、突然承太郎の耳朶を打った。 いつの間に扉が開けられ、彼が入ってきたのか? 気付くこともなく部屋に侵入してきたことを、承太郎はしかし気にするのをやめた。 考えたところで、今は些末なことだ。 ここは私の館なのだが……お気に召してくれたかね? 姫君? 不愉快な言葉にDIOを睨みつけると、しかし彼は実に楽しそうに笑うだけだった。 承太郎のそんな反応さえ、彼は面白がり楽しんでいるらしかった。 承太郎はDIOから視線を外し、気に入るわけがねぇ、と低く呟いた。 それは残念だ、とそんなことは露とも思っていなさそうな口調でDIOが言う。 そして、ああ、そうだ。と何かを思い出したかのように、部屋の扉を見遣った。 誰かが入ってきたのか、こつこつと足音がする。 視界の端に、青い靴が映った。 机の上に何かが置かれる音。そして漂う香り。 そちらを見遣ると、一人の女性が食事を持って来ているのが目に入った。 女性は艶やかに微笑むと、くるりと踵を返して部屋を出て行く。 去り際、承太郎に思わせぶりな視線を投げかけ、そしてDIOに一礼をして去っていった。 彼女もまた、DIOの部下でスタンド使いなのだろう。 腹が減った…かどうかは知らんが 食べるが良い。 腹が減っては戦はできんと言うしな? …誰がてめぇが寄越した飯なんざ食うかッ! 何を思ってDIOがそんなことをするのかは分からなかったが、料理に何が仕込まれているか分からない。 DIOが何を企んでいるのか? それが分からない限り、迂闊な行動は取れなかった。 食わねばその内死ぬぞ? そのまま死んだら、お前は私に負けたままだな。 この負け犬。…と、呼ばれたいのか? ―ならば、そのまま死ね。 勝ち誇ったような笑みに、強烈に怒りが沸いた。 思わず立ち上がり、自由な手で目の前の皿を掴んで載っている料理ごと力の限り投げつける。 至近距離だったにもかかわらず、それはDIOにはかすりもしなかった。 気付い時には、DIOは承太郎のすぐ隣に立っていた。 これが彼のスタンド能力なのか。 しかし、それがどういうものなのか、見当もつかないのが現実だ。 承太郎にはただ、彼の動向を探ることしか出来ない。 DIOの手が、まるで猫の首根っこを掴むように、承太郎の首を後ろから掴んだ。 ぐっと力が籠められ、爪が首筋に食い込んでいく。 ぷつり、と皮膚が裂け、血が零れだす。 そんな 承太郎は眼をきつく閉じて歯を食い縛り、首を掴まれていることによる息苦しさと、血を吸われる感覚に耐えた。 首筋が熱い。息が少し乱れた。 やはりジョースターの血は格別だ……。 恍惚とした声でDIOが耳元で囁く。 おぞましさに、総毛立った。 身を捩ると、手はあっさりと首から離れていった。 足元がふらつく。 相当量の血を吸われたようだった。 DIOに突き飛ばされ、承太郎はすぐ後ろのベッドに倒れ込んだ。 そのまま貧血などになられてはな。 食事はきちんと摂るものだぞ、承太郎…。 含み笑いを漏らして、DIOが部屋から出て行く。 承太郎が投げつけた食事と、机の上にある分も、そのままにして。 DIOの野郎はまんまと自分の食事にありついたってワケか。 畜生。 馬 鹿 に し や が っ て。 耳障りな笑いを漏らすDIOの、その姿を見るだけで嫌悪感が沸いた。 しかしそれ以上に、彼の手の内に丸め込まれている我が身が、たまらなく嫌だった。 ---------------------------------------- 笑い話です。 それにしても、もっと上手に文章を書きたいです…。 特にこう…スタンド関連の部分とか。 他にも、欲を言うなら艶っぽいのを書いてみt |